再就職を希望される方へ

一般的な状況

がんを罹患したことにより、勤めていた会社を退職し、再就職を検討される方が多くいらっしゃいます。再就職を希望される場合、新たな悩みや困難が生まれることがあります。

よくある困りごと

がんの罹患後、再就職を希望し、就職活動していく際、多くの方が悩むのは、「病気のことを応募先の会社にどこまで伝えるべきなのか」という問題です。

考え方のポイント

求職先の会社が、求めているのは、究極的にはただ一つ。あなたが会社にとって価値のある人物なのかどうかということです。ですから、「病気のことをいかに伝えるか」という前に、自分がどのように会社に貢献できるかをきちんとアピールすることが大切です。そのうえで、病気のことを伝える・伝えない、を考えましょう。

応募先の仕事が問題なく遂行でき、業務に支障がないのであれば、病気のことを伝える必要は、一般的にはありません。病名を伝えることも勿論不要です。逆に言えば、業務に支障があったり、配慮が必要なのであれば、そのことを事前に伝える必要が出てきます。なぜなら、業務に支障がある病気を隠して入社し、後でそのことが判明した場合には、懲戒処分の対象になる場合もあり得るからです。また、伝えておかなければ、就労上の配慮を求めるのは難しいということもあります。 

再就職とは、新しい自分の居場所を作ることです。「入社」というピンポイントではなく、入社後の自分が居心地よく働き続けていくという視点で考えてみましょう。

もし、業務に支障がない病気のことを隠すのが心苦しい、という気持ちがあるのであれば、入社して、ある程度信頼や評価を勝ち取ってからでも遅くはありません。まずは「私にはこんな力がある」「こうした点で貢献できる」ということを応募先の会社にしっかりとアピールしましょう。
 
なお、全国のがん診療連携拠点病院の近くのハローワークでは、平成28年度から「長期にわたる治療等が必要な疾病をもつ求職者に対する就職支援事業」を実施し、がん経験者をはじめとする長期療養が必要な方の就職支援を行っています。地域によって取り組みに差があるようですが、再就職にあたり活用できる支援の一つと言えます。


※このページの情報は一般論として記載しています。全ての人に該当しない可能性がありますが、参考情報としていただけましたら幸いです。
(担当: 特定社会保険労務士 藤田久子)