借金の返済が困難な方へ(自己破産)

一般的な状況

経済的な困窮から,借入金を返せなくなり(もしくは返すことが現実に困難となり),債務整理,民事再生,破産といった手続きを検討することがあります。

よくある困りごと

破産手続を選択する場合には,申立のためのための弁護士費用と裁判所への予納金(最低でも20万円程度必要です)を準備する必要があります。また,破産手続が開始した場合には,医療保険についても,特に解約返戻金があるタイプでは,解約して現金化され得る点に注意が必要です(具体的には破産管財人との協議が必要です)。

考え方のポイント

借入れの返済が難しい,未払金の支払いが難しいなどの場合,法的な手続を取ることも選択肢となります。まずは,どのような借入れ・未払金があるのか,どのような収入が期待できるのか,どのような財産があるのかを確認・整理することが先決です。

その上で,一度弁護士に相談をするのが良いでしょう。各地の弁護士会の法律相談もありますし,債務整理・破産申立等の経験が豊富な弁護士も多くいます。その中で,法的な手続きを取る必要があるか,法的手続をとる必要がある場合,債務整理,民事再生,破産手続などのうちどれが適切かを選んでいくこととなります。法的な手続をとった場合には,クレジットカードなどが使えなくなるなど,デメリットもありますので,メリットとデメリットを比較して選択をする必要があります。

代表的な手続きである破産について簡単に説明しますと,破産者が破産手続開始時点で持っている財産のうち一定額(99万円が一つの基準です)を超えるものはすべてお金に換え,債権者に配当する,というのが基本的な考え方の「清算」という手続きです。

破産手続が終了する際に,「免責」が受けられると,借入債権等を返済する必要はなくなります(浪費や詐欺的な借入れがあった場合には免責が受けられない場合があり,その場合は破産手続終了後も債務が残ります。)。

困りごとのところで書きましたように,医療保険も解約される可能性があることは,がん患者さんの選択としては重要な要素ですので,ご自身の保険の内容を確認し,申立前に弁護士に相談しておかれるとよいでしょう。


※このページの情報は一般論として記載しています。全ての人に該当しない可能性がありますが、参考情報としていただけましたら幸いです。
(担当:弁護士 山崎祥光)